レビー小体型認知症には、現段階では病気そのものを完全に治したり進行を止めたりする「根治薬」はまだ存在しません。そのため、患者さんが直面している困った症状をやわらげ、生活の質(QOL)を保ちながら穏やかに過ごせるようにする「対症療法」が治療の中心となります。
レビー小体型認知症は症状が多岐にわたるため、「薬物療法」と「非薬物療法(ケア・リハビリ)」を組み合わせた総合的なアプローチが行われます。
保険外の治療では、体の奥のインナーマッスルを鍼治療した直後のリハビリがとても効果的です。
1. 薬物療法(症状に応じた処方)
症状の優先順位に合わせて、以下のようなお薬が用いられます。
認知障害・認知の変動・幻視に対して
- コリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル/商品名:アリセプトなど)
脳内のアセチルコリンの減少を抑えるお薬で、レビー小体型認知症のファーストチョイス(第一選択薬)とされています。認知機能の維持・改善だけでなく、頭がぼーっとする「認知の変動」を抑えて意識をはっきりさせたり、幻視を減らしたりする効果が期待できます。
幻視・妄想・興奮などの精神症状(BPSD)に対して
- 抑肝散(よくかんさん)などの漢方薬
副作用が比較的少なく、幻視や妄想、イライラなどを抑え、感情を安定させる目的で広く用いられています。
- 非定型抗精神病薬(クエチアピンなど)
抑肝散などで不十分な場合にごく少量で用いられることがありますが、慎重な調整が必要です。
パーキンソニズム(手足のこわばり・歩行障害)に対して
- レボドパ(L-ドパ)製剤
脳内のドパミンを補う基本薬ですが、量を増やしすぎると幻視や妄想などの精神症状を強めるリスクがあるため、主治医による細かな調整が行われます。
- ゾニサミド(商品名:トレリーフ)
レビー小体型認知症のパーキンソニズムに対して保険適用が認められているお薬です。
レム睡眠行動障害(RBD)に対して
- 悪夢を見て叫んだり暴れたりする睡眠障害に対しては、クロナゼパム(リボトリール等)やラメルテオン(ロゼレム)、抑肝散などが検討されます。
自律神経症状に対して
- 起立性低血圧には血圧を調整するお薬(ドロキシドパ、ミドドリンなど)、便秘には各種緩下剤、頻尿には過活動膀胱治療薬などが症状に合わせて処方されます。
2. 薬剤過敏性への配慮(極めて重要な注意点)
レビー小体型認知症の大きな特徴として「薬剤過敏性」が挙げられます。一般的な服薬量であっても、強い眠気(過鎮静)が出たり、パーキンソニズムが急激に悪化したり、精神的に不安定になったりするなどの副作用が生じやすい傾向があります。そのため、医師の指導のもとで「少量から開始し、様子を見ながら慎重に調整する」ことがきわめて大切です。
3. 非薬物療法・ケア・リハビリ
薬だけに頼らず、日常生活のケアやリハビリテーションも不可欠です。
環境調整・対応の工夫
- 幻視が見えて不安がっているときは頭から否定せず、「怖かったね」と本人の気持ちを受け止めて安心感を与えたり、部屋の照明を明るくして影を減らしたりするなどの工夫が有効です。
運動療法・リハビリ
- 筋力維持や転倒予防のための歩行訓練・バランス練習、喉の筋力を保つための嚥下(飲み込み)リハビリなどが実施されます。
東洋医学・鍼灸療法
- 脳血流の改善や自律神経の調整を目的に、補腎やツボ通電刺激などの鍼灸療法が補助的に取り入れられています。

4. 鍼治療のすすめ
私たちは、40年前から、多系統萎縮症やパーキンソン病の鍼治療に取り組み成果を上げています。これらの疾患は脳にα-シヌクレインというタンパク質がたまる病気です。
レビー小体型認知症も脳にα-シヌクレインがたまる同じグループの病気のため、パーキンソン病の鍼治療を応用することでレビー小体型認知症にも効果があることを発見しました。
鍼治療で分からないこと、不安なことがありましたら、無料相談からご相談ください。
