レビー小体型認知症|原因は何か?

レビー小体型認知症(DLB)の発症や病態の原因は、脳および全身の神経系における異常タンパク質の蓄積と、それに伴う神経伝達物質の減少にあります。

原因を知り、できるだけ異常なタンパク質が溜まりにくい生活を送ることが大切です。

1. 異常タンパク質「α-シヌクレイン」と「レビー小体」の形成

  • レビー小体とレビー神経突起の蓄積
    神経細胞内に存在するα-シヌクレイン(α-synuclein)という140個のアミノ酸からなるタンパク質が、何らかの理由で異常に凝集・重合することが根本的な原因です。凝集したα-シヌクレインを中心に他のタンパク質が集まることで、細胞体内に円形構造物である「レビー小体(Lewy bodies)」が、神経突起内に「レビー神経突起(Lewy neurites)」が形成されます。
  • 神経細胞の変性・脱落
    凝集したα-シヌクレインやレビー小体が神経細胞を障害・変性させ、脱落(死滅)させることで神経系のはたらきが低下していきます。このようにα-シヌクレインの異常凝集が原因となる疾患群を「α-シヌクレイノパチー(α-synucleinopathy)」と呼びます。

2. 蓄積部位による症状の違い(“全身病”としての側面)

レビー小体は脳の特定の部位だけでなく、全身の神経系に広く分布するため多様な症状を引き起こします。

  • 大脳皮質・大脳辺縁系(扁桃核など)
    認知機能を司る大脳皮質や扁桃核にレビー小体が広がることで、認知障害や具体性のある幻視、視空間認知障害が現れます。
  • 脳幹(中脳黒質・青斑核など)
    運動機能を司る脳幹の中脳黒質などに蓄積すると、ドパミン神経が障害され、手足のこわばりや歩行障害などのパーキンソニズム(運動障害)が生じます。
  • 末梢自律神経系
    レビー小体は心臓交感神経、食道や胃腸の自律神経叢、皮膚などの末梢自律神経系にも蓄積するため、起立性低血圧や頑固な便秘などの自律神経障害を引き起こします。

3. 神経伝達物質(アセチルコリン・ドパミン)の著しい低下

  • アセチルコリンの激減
    前脳基底部のマイネルト基底核などのコリン作動性ニューロンが強く障害されるため、脳内のアセチルコリン合成酵素(ChAT)活性がアルツハイマー型認知症以上に著しく低下します。これが認知機能の変動や幻視の主な原因となっています。
  • ドパミンの減少
    中脳黒質のドパミン作動性ニューロンの脱落により、運動の調節を担う線条体へのドパミン供給が低下し、パーキンソン症状を引き起こします。

4. アルツハイマー病理(アミロイドβ・タウ)の併存と影響

  • 通常型と純粋型
    高齢で発症するレビー小体型認知症の多く(通常型)では、レビー小体に加えてアルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβ(老人斑)やタウタンパク(神経原線維変化)が脳内に併存しています。一方、アルツハイマー病理を伴わず比較的若年で発症するタイプは純粋型と呼ばれます。
  • 病理の相互作用
    アミロイドβやタウとα-シヌクレインは互いに凝集を促進し合う相互作用があり、アミロイドβ病理が併存しているケースでは認知機能の低下速度が速まることが報告されています。

5. 発症のリスク要因と進展の仕組み

  • 加齢と遺伝
    最大の危険因子は加齢です。基本的には遺伝しない孤発性が大半ですが、一部でα-シヌクレイン遺伝子(SNCA)異常やGBA遺伝子変異(ゴーシェ病関連遺伝子)などのリスク遺伝子が関与することがあります。
  • 病理の進展経路(Braak仮説等)
    α-シヌクレインの異常凝集は、嗅球や延髄(迷走神経背側核)、あるいは腸管などの末梢自律神経系から始まり、何年もかけて脳幹・大脳皮質へと上行・伝播していくメカニズム(Braak仮説、Dual-hit仮説、Body-first / Brain-first分類)が解明されつつあります。

6. 鍼治療のすすめ

レビー小体型認知症は、自律神経の異常を伴う進行性の認知症です。鍼治療は、自律神経のバランスを整える効果的な治療法です。自律神経を整えて起立性低血圧を防止しながらリハビリを行うことで全身の血流を保つことができます。

また、鍼治療直後のリハビリを積極的に行うことで、脳内の血流も改善されレビー小体型認知症の進行を緩やかにすることができます。鍼治療のことやリハビリのことで分からないことがありましたら、無料相談をご利用ください。

この記事を書いた人

神経内科疾患 認定鍼灸師 / 宮原 魁都

プロのサッカー選手を目指すも、膝の大怪我により夢を絶たれる。当時治療でお世話になった鍼灸師の影響があり、鍼灸師の道に進むことに。運動器疾患の治療を得意としているが、ずば抜けた根性と精神力で院長からの難題を次々クリアし、現在は神経内科疾患の鍼治療でも成果を上げている。

神経内科疾患 認定鍼灸師 / 宮原 魁都

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プロのサッカー選手を目指すも、膝の大怪我により夢を絶たれる。当時治療でお世話になった鍼灸師の影響があり、鍼灸師の道に進むことに。運動器疾患の治療を得意としているが、ずば抜けた根性と精神力で院長からの難題を次々クリアし、現在は神経内科疾患の鍼治療でも成果を上げている。

神経内科疾患 認定鍼灸師 / 宮原 魁都