レビー小体型認知症|症状について

レビー小体型認知症(DLB)は、大脳皮質や脳幹、さらには全身の末梢自律神経系に「レビー小体」と呼ばれる特殊なたんぱく質の構造物が出現することで発症する病気です。アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症の一つであり、運動症状・精神症状・自律神経症状などの多彩な症状が現れるのが特徴です。

主な症状は以下の通りです。

1. 4つの中核症状(コア症状)

診断において特に重視される代表的な症状です。

  • 具体的でリアルな幻視
    実際にはそこに存在しない人、子供、小動物(ネコやネズミなど)、虫などがハッキリと見える症状です。見えているものは動きを伴うことが多く、具体的な形や色まで詳細に説明できるのが特徴です。
  • 認知機能の変動
    日や時間帯によって、頭がハッキリしてしっかり受け答えができる状態と、ボーッとして反応や理解力が低下する状態が激しく入れ替わります。
  • パーキンソニズム(パーキンソン症状)
    動作が遅くなる(動作緩慢)、筋肉が硬くこわばる(筋強剛)、手足の震え(振戦)、表情が乏しくなる(仮面様顔貌)、歩幅が小さくすり足になる、身体のバランスが取れず倒れやすくなる(姿勢保持障害)などの運動障害が現れます。
  • レム睡眠行動障害(RBD)
    睡眠(レム睡眠)中に悪夢を見て、大声で寝言を叫んだり、手を振ったり蹴ったりして暴れる症状です。認知症や運動障害が表面化する10〜20年前から前駆症状として現れることが少なくありません。

2. 認知障害の特徴

  • 記憶障害(もの忘れ)が初期には目立ちにくい
    アルツハイマー型認知症とは異なり、病気の初期〜中期では最近の出来事を覚えているなど、記憶障害があまり目立たない場合があります。
  • 注意障害・遂行機能障害・視空間認知障害
    初期から「集中力が続かない(注意障害)」、「料理や家電の操作など段取りよく物事を進められない(遂行機能障害)」、「立体や距離感がつかめず図形模写や車の駐車ができない(視空間認知障害)」といった症状が目立ちます。
  • 錯視・変形視・実体的意識性
    丸めた服を動物に見間違えたり(錯視)、壁や廊下がゆがんで見える(変形視)、姿は見えないのに「近くに誰かがいる気配」を感じる(実体的意識性)といった視覚的な認識のズレが生じます。

3. 自律神経症状

レビー小体が心臓や胃腸などの末梢交感神経・副交感神経にも蓄積するため、全身的な身体不調が起こります。

  • 起立性低血圧(立ち上がった際に血圧が下がり、立ちくらみや失神を起こす)
  • 頑固な便秘・排尿障害(頻尿や尿失禁)
  • 発汗異常(多汗・寝汗、または汗が出ず微熱が出る)
  • めまい・ふらつき・強い倦怠感

4. 精神症状・行動障害(BPSD)

  • 抑うつ・アパシー(意欲低下)
    気分が落ち込む、やる気が出ない、悲観的になるといった症状が初発症状として現れやすく、高齢者のうつ病と誤診されるケースもあります。
  • 妄想・人物誤認
    幻視や錯視から派生して「知らない人が家に勝手に住み着いている(幻の同居人)」と考えたり、配偶者や家族を別人と誤解する(人物誤認)などの妄想が見られることがあります。

5. 薬剤に対する過敏性

抗精神病薬や向精神薬、あるいは一般的な市販薬(風邪薬や胃腸薬など)を服用した際に、少量であっても強い眠気(過鎮静)やパーキンソニズムの激しい悪化、感情の不安定さなどの著しい副作用を起こしやすい傾向があります。

6. 鍼治療について

レビー小体型認知症は、パーキンソン病と同じグループの病気です。私たちは40年前からレビー小体型認知症の鍼治療に取り組んできました。パーキンソン病の鍼治療を応用することで、レビー小体型認知症が改善したり、進行が緩やかになることが多いことを発見しました。

レビー小体型認知症の不安があったら、鍼治療をご検討ください。

この記事を書いた人

神経内科疾患 認定鍼灸師 / 吉池 加奈

顔面と耳の解剖学を極めたのち、美容鍼や耳鼻科疾患、神経内科疾患の鍼治療に取り組んでいる。患者さんとの会話をよく覚えており、持ち前の陽気さで周囲をぱっと明るくさせる人気者。興味を持ったものには一直線、休日は韓国料理食べ歩きや推し活で忙しく過ごす。

神経内科疾患 認定鍼灸師 / 吉池 加奈

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顔面と耳の解剖学を極めたのち、美容鍼や耳鼻科疾患、神経内科疾患の鍼治療に取り組んでいる。患者さんとの会話をよく覚えており、持ち前の陽気さで周囲をぱっと明るくさせる人気者。興味を持ったものには一直線、休日は韓国料理食べ歩きや推し活で忙しく過ごす。

神経内科疾患 認定鍼灸師 / 吉池 加奈