「病院で『脊髄小脳変性症(せきずいしょうのうへんせいしょう)』と診断されたけれど、難しい言葉ばかりでよく分からない」
「薬を飲んでいるけれど、ふらつきが止まらない」
もし、あなたがそんな不安を抱えているなら、少しだけ私の話を聞いてください。 私は鍼灸師として40年間、のべ110万人以上の患者さんと向き合ってきました。その中で、運動器疾患(腰痛や膝痛など)の次に多いのが、この脊髄小脳変性症をはじめとする神経内科の病気です。
教科書通りの説明だけでなく、40年の臨床経験から「実際の現場ではどうなのか」「どうすれば希望が持てるのか」をお話しします。
※出典
『すべてがわかる神経難病医療』 中山書店
『小脳と運動失調』 中山書店
『多系統萎縮症の新診断基準とこれからの診療』 医学書院
『脊髄小脳変性症の臨床』 新興医学出版社
脊髄小脳変性症とは、どんな病気?
簡単に言うと、「体をスムーズに動かすための司令塔(小脳や脊髄)の神経細胞が、徐々に壊れてしまう病気」です。
私たちの脳には「小脳(しょうのう)」という部分があり、ここがバランスを取ったり、手足の動きを微調整したりしています。この神経細胞が何らかの原因で少しずつ減ってしまい(変性)、うまく働かなくなるのがこの病気の正体です。
誰もが感じる「3つの共通症状」
病気のタイプはたくさんありますが、共通して出る症状は「運動失調」と呼ばれるものです。
- ふらつく・バランスが取れない(お酒に酔ったような千鳥足になる)
- 手がうまく使えない(字が書けなくなる、ボタンが留めにくい)
- 呂律(ろれつ)が回らない(喋り方が爆発的になったり、途切れたりする)
なぜ、診断されるまで時間がかかるのか?(現場の実感)
医学書には症状が詳しく書かれていますが、私の治療院に来る患者さんの「発見のきっかけ」は少し違います。ここがとても重要です。
「おかしいな?」の始まりは日常の中に
多くの患者さんは、最初から「歩けない」わけではありません。
- 「テニスやゴルフで、今まで負けなかった相手に簡単に負けるようになった」
- 「何もないところで転ぶようになった」
こうした「あれ? なんか体が思うように動かない」という違和感から始まります。
診断までの長い道のり(ドクターショッピング)
ここから、多くの患者さんが長い迷路に入ります。
- 1.足がおかしいから「整形外科」へ行く → 「異常なし」
- 2.ふらつくから「内科」や「耳鼻科」へ行く → 「異常なし」
- 3.目がおかしいのかもと「眼科」へ行く → 「異常なし」
- 4.心配になって「脳外科」でMRIを撮る → 「脳梗塞ではない、異常なし」
そして最後に、誰が見ても明らかにおかしい状態になって初めて、「神経内科」を紹介され、そこでようやく診断がつくのです。
「もっと早く分かっていれば…」と悔やむ患者さんを、私は何人も見てきました。
「遺伝する?しない?」病気のタイプを知ろう
この病気は、大きく2つのタイプに分けられます。
① 孤発性(こはつせい):遺伝しないタイプ
日本人の患者さんの約3分の2がこちらです。
- 多系統萎縮症(たけいとういしゅくしょう・MSA)
- 最も多いタイプです。ふらつきだけでなく、「体が固くなる(パーキンソン症状)」や「立ちくらみ・尿が出にくい(自律神経症状)」などが重なります。
- 現場の真実: 進行が早いため、お医者さんも危機感を持って伝えます。そのため、患者さんも「本気で治さなきゃ」と真剣に取り組む傾向があります。
- 最も多いタイプです。ふらつきだけでなく、「体が固くなる(パーキンソン症状)」や「立ちくらみ・尿が出にくい(自律神経症状)」などが重なります。
- 皮質性小脳萎縮症(CCA)
- 主に小脳だけが縮み、ふらつきなどの症状が出ます。進行は比較的ゆっくりです。
② 遺伝性:遺伝するタイプ
日本人の約3分の1を占めます。
- マシャド・ジョセフ病(SCA3)、脊髄小脳失調症6型(SCA6)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)などが有名です。
- 原因となる遺伝子の特定の配列(CAGリピート)が、異常に長く伸びてしまうことが原因であることが分かっています。
要注意!「遺伝性は進行がゆっくり」という油断
ここで、私が一番伝えたい「現場の真実」をお話しします。
病院では、遺伝性のタイプ(SCA6など)について、「進行がゆっくりだから、急激には悪くなりませんよ」と説明されることが多いです。それを聞いて、安心しきってしまい、「おっとりと構えてしまう患者さん」が非常に多いのです。
しかし、現実は違います。 遺伝性の病気には、親御さんよりもお子さんの世代の方が、発症が早く、症状も重く、進行が急速になるケースが多々あります。
「先生(医師)がゆっくりだと言ったから大丈夫」と思って何もしないでいるうちに、親御さんとは違うスピードで悪化し、慌てて当院に駆け込んでくる患者さんが後を絶ちません。
「ゆっくり」という言葉に油断せず、動けるうちに対策を打つことが何より大切です。
治療について:薬、そして「可視化」する鍼灸治療
病院での治療(標準治療)
残念ながら、今の医学では死んでしまった神経細胞を生き返らせる根本的な治療法はありません。現在は症状を和らげる薬やリハビリが中心です。
- お薬: 運動失調(ふらつき)に対しては、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)誘導体(商品名:ヒルトニン、セレジスト)が使用されます。
- リハビリ: 転倒を防ぎ、今の機能を維持するために非常に重要です。
薬だけで改善しない時に考えること
お薬を飲んでいても進行が止まらない、生活が不便になっていく…。 そういった、「お薬で改善しないケース」では、鍼灸治療を選択される方が非常に多いです。
当院は臨床経験40年、のべ7万2000人以上の難治性疾患の治療実績があります。 当院の特徴は、経験や勘だけに頼るのではなく、最新の機器を使って「体の異常を可視化(見える化)」してから治療を行う点にあります。
- ・医療用サーモグラフィ
麻痺や自律神経の異常を確認します。特に麻痺については、MRIでまだ異常が出ないような早期の段階から、体温分布の変化として確認できるため、早期発見・早期治療に非常に有効です。 - ・超音波エコー検査
脳への血流の状態をリアルタイムで調べ、治療方針に役立てます。 - ・モアレトポグラフィ
背中の等高線画像を撮影し、体のバランスの崩れを客観的に分析します。

「もう薬がないと言われた」
「進行を少しでも遅らせたい」
「ふらつきを減らして、もっと長く自分の足で歩きたい」
そう願う方は、ご自身の体の状態を「目で見て」確認するためにも、ぜひ一度ご相談ください。
以下のページでは、当院の施術とリハビリを併用することで、実際に症状がどう変化するのかを詳しく解説しています。
→ 脊髄小脳変性症の詳しい治療法や改善事例はこちら
また、あなたの今の状態や不安をしっかり伺い、医学的な知識と長年の経験に基づいたアドバイスも行っています。お一人で抱え込まず、ご相談ください。
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